Wald
ドイツ製鳩時計専門店「ヴァルト」

当店の鳩時計

心に残る「本物の鳩時計」を

当店は、アントン・シュナイダー社正規輸入販売元、および、ロンバック&ハース工房正規輸入販売元です。ドイツ製鳩時計を輸入・ご紹介するにあたり、“ドイツ・シュヴァルツヴァルト時計協会が認定する本物の証明書付鳩時計であること”が、あたりまえですが絶対条件です。

当店は、アントン・シュナイダー社正規輸入販売元、および、ロンバック&ハース工房正規輸入販売元です。ドイツ製鳩時計を輸入・ご紹介するにあたり、“ドイツ・シュヴァルツヴァルト時計協会が認定する本物の証明書付鳩時計であること”が、あたりまえですが絶対条件です。

他店を模倣したスタイルで、販売されている“価格”、“見た目”、“ドイツの伝統の鳩時計”をうたい文句にした、ネット販売に最適な使い捨てタイプのお土産用電子音の電池式鳩時計もありますが、少しだけ考えれば、明らかにとても不自然な内容の表現方法です。

当店では、鳩時計は“永く使う心に残る時計”と考えており、単なる価格訴求や見た目を真似した電子音の類でなく、「本物の鳩時計」をご紹介いたします。

当店の時計の選択
  • 1.見た目だけを真似した、電池式の電子音が鳴るものは扱わない
  • 2.専門店として、“お土産品”はお届けしない
  • 3.オリジナリティあるモデル展開
  • 4.価格帯・デザイン面での豊富なヴァリエーション
  • 5.鳩時計協会創案に沿ったモデルの展開
メーカー・工房の選択
  • 1.機械式鳩時計を自社で生産している
  • 2.機械式鳩時計をオリジナルのモデルで展開している
    (ルーマニア、チェコ、中国などから取り寄せたパーツを、ドイツで組み立てただけの安価な物、類似な物ではありません)
  • その他
    • 1.専門店ならではの、店頭でのできる限りのお客さまの御希望に沿える形での技術提案
    • 2.用途別での御提案
    • 3.熨斗・ラッピングなどの対応
    • 4.アフターケア・バックアップ体制などの充実
    • 5.もしもの時にも、安価な修理対応

本物の鳩時計

シュヴァルツヴァルト時計協会の認定証

鳩時計発祥の地、ドイツ・シュヴァルツヴァルトでは、本物の鳩時計であることをお客様にお伝えするために、“本物の黒い森の鳩時計”には、シュヴァルツヴァルト時計協会が認定証をお付けしております。

  • 1.動力は、“錘”あるいは“ゼンマイ式”の機械式時計。
    (動力が電池のものは、時計協会認定の本物の鳩時計ではありません)
  • 2.時報の鳴き声は、“ふいご・蛇腹式の笛”によるもの。
    (時報の声が電子音のものは、時計協会認定の本物の鳩時計ではありません)
  • 3.主要パーツは、この黒い森で作られ組み立てられていること。
    (例えばムーブメント自体も、この地域で100年以上前からつくられている伝統産業です。また、木彫りもこの地方の特産品として使われていなければなりません。残念なことに、メーカーの自主性を尊重するがゆえに、外国製パーツを使い、ただ単にドイツで組み立てたおもちゃのような“ドイツ製鳩時計”も見受けられますが…)
  • 4.それらすべてが組み合わさり、正常に動くこと。
    (全てがそろっても正常に動かなければ、時計協会認定の本物の鳩時計ではありません)

上記が代表的な伝統の時計協会が認定する本物の鳩時計です。非常に単純明快な、しかしながら最も重要な部分です。またそれら以外にも、通常下記の仕様となっています。

  • 1.時報の後の音楽にも、本物のスイス製・シリンダー式高級オルゴールを使用。
    (シリンダー式オルゴールによる音楽のみで、電子音ではない)
  • 2.昔ながらの時報の鐘の音(ボ〜ン、ボ~ンという音色)がある。
    (電池で音を出す、エコーや電子音ではない)
  • 3.木製のバランスがとれた鳩、扉、文字盤、針を使用。
    (安価にするためのプラスティック部品は使わない。残念なことに、最近ではお土産用のサイズが小さな時計には、プラスティックが使われるようになりましたが…)
  • 4.マイスターによる手づくりのため、普通の時計よりかなり高額である。

などが挙げられます。
シュヴァルツヴァルト時計協会では、鳩時計発祥の地で作られる「本物の鳩時計」であることをより明確にするためにも、認定証を発行し、消費者の方々に安心してお買い求めいただける環境づくりを行っています。鳩時計メーカーが一丸となり、将来起こりうる東欧諸国や東南アジアからの類似品との違いを、本物を求める消費者の方々が判断できるような環境づくりにも力を入れています。

また、私どもヴァルトでも、ご自宅を飾る大切な時計、大切な記念の時計、大切な方への贈り物の時計としてお使いいただくことが多いこの鳩時計には、見た目だけを真似した温かみのない電子音ではなく、黒い森でつくられる昔ながらのシュヴァルツヴァルト時計協会の認定する「本物の鳩時計」だけを、ご紹介させていただいております。

昨今騒がれている、中身は諸外国でつくられ、組み立てだけをドイツで行ったような電化製品のような考え方の製品ではございません。鳩時計発祥の地ドイツ・シュヴァルツヴァルトの本物の鳩時計をお求めの際には、インターネット特有の言葉遊びの表現方法、表示方法、価格、販売方法などにご注意いただき、“シュヴァルツヴァルト時計協会証明書”が付いた「本物の鳩時計」をご購入ください。

鳩時計の歴史

ドイツ“黒い森”で生まれた鳩時計

鳩時計の代名詞となった“黒い森”

世界的に知られている鳩時計の歴史は1640年ごろ、南にスイス、東にオーストリア、西にフランスと接しているドイツの“黒い森”というところで始まりました。その当時、長く厳しい冬の間でも有益で理想的な時間の使い方・仕事を考え、黒い森でこの新しい地場産業ができあがりました。当初は、木と鋼線でつくった簡単な時間を計る道具として、少ない量で実験的につくられました。そして、徐々に新しい有益な産業へ変貌していきました。地理的・経済的に隔離された農民を世界的に有名にした、“黒い森の時計”の誕生です。今では、世界的に“黒い森”と言えば“鳩時計”と言われるようになりました。

カッコーのさえずり

その歴史は1738年ごろ、フランツ・アントン・ケトラー氏によって今の鳩時計のスタイルが確立されたと言われています。黒い森のションワルド出身のケトラーは、教会のパイプオルガンの原理を利用したカッコーの時報が、時間になると自動的に鳴る仕組の時計を生産しました。鳥の声を模倣した技術を時計に組み入れる技術は、中世ヨーロッパの貴族のための時計からのものです。フランスのストラスブルグ大聖堂に聳え立つ雄鶏が、鳩時計発想の原点のようです。そのような雄鶏の“さえずり”を、スイス・ベルンの大聖堂や、チェコのプラハの天文時計でもみることができます。しかし、時計のような小さな箱の中で、雄鶏の鳴き声を模倣することは難しいことでしたが、その中でカッコーの鳴き声が一番模倣しやすかったのです。

時代とともに変化

それ以来、木製のムーブメントが金属製に徐々に変わり、主流であった12時間ムーブメントに24時間、8日仕様ムーブメントが加わり、針は象牙からセルロイド、プラスティック、木へと変わりました。原材料の変貌とともに、その地域の商人たちがこの時計をヨーロッパ中に紹介し、世界的に知られるようになりました。 またデザイン自体も、その時代背景にあった物が施されるようになりました。今では一番のオリジナルとされているハンターモデル(ウサギ・鳥とライフル、ウサギ・鳥と鹿をモチーフにしたもの)に対しても、アメリカの動物愛護団体からのクレームにより、動物が逆さにつるされているモデル(オリジナル)と動物が立っているモデル(愛護団体対策用)があります。そんな時代背景も、この時計に見ることができます。

ドイツ時計の歴史を学ぶ

トリベルグにあるドイツ時計博物館は、ドイツの時計の歴史を見ることができる貴重な博物館です。そこには、何万個もの歴史ある時計が保管されており、その中には1787年に黒い森で作られた鳩時計もあります。200年以上も前につくられた時計ながら、今でも魅力はいっぱいです。そんな鳩時計づくりは今でも受け継がれています。またシュナイダー社製の鳩時計も、この博物館のコレクションの一つになっています。

鳩時計の現状

各国の鳩時計

現在、鳩時計は、本国ドイツの他、スイス、日本、韓国、中国でつくられています。(2011年現在の当店の知る限りの情報として)

ドイツの鳩時計

ドイツ本国では発祥の地、黒い森(スイス、フランスとの国境付近)で1640年頃からつくられるようになりました。最盛期には年間約30万個ほどつくられた鳩時計(正確な数字ではありませんが、1999年の最盛期のおおまかな数字)ですが、現在では総生産20万個に満たないと思われます。手づくりの鳩時計業界ですが、やはり時代の流れ、吸収合併が激しい業界となっています。世界的には、鳩時計発祥の地黒い森でつくられる、昔ながらの錘で動かす鳩時計が主流で、全体の9割以上を占めているようです。本物のドイツ製鳩時計に使われるムーブメントは2種類あり、最も信頼されているレギュラと、唯一自社ブランドで製造するH社です。また、それぞれの部品メーカー(例えば、錘、フイゴ、ゴングなど)にとっては鳩時計の生産数は限られており、競争相手がいないためモノポリー状態となっています。そのため、毎年お決まりごとのように価格が跳ね上がっています。オルゴールも同様にメーカーが数少なく、鳩時計用オルゴールを生産するのは4社ほどで、クオリティと価格・生産能力の面からスイス製が主流となっています。近年、コピー品・類似品が横行する中、黒い森の各メーカーでは消費者が本物の鳩時計とコピー品・類似品と区別できるように、時計協会を立ち上げ、シュヴァルツヴァルト原産の本物の鳩時計には認定証を発行し始めました。しかしながら、主要顧客であるアメリカでのインターネット販売の比率が50%以上のため、製品づくりが変わってきてしまいました。時計の中身ではなく、“価格”と“画面上での見た目”を重視しているため、外国製パーツを使った荒いつくりになり、サイズを小さくして安く販売したりといったことが行われるようになってしまいました。とりわけ、“価格”、“見た目”、“ドイツの鳩時計”をうたい文句にしたネット販売を想定した、電子音の電池式鳩時計を各社がつくり始めました。時計協会の認定しない電池時計を、あたかも本物であるかのようにメーカーはつくり、業者が販売するようになりました。メーカーとしては、要望があればものづくりをする。とりわけ、インターネット販売において、そんな“もの”をつくるメーカーと販売業者が組んでいる残念な状況があります。いよいよドイツ本国でも、中国製鳩時計の販売が始まり、“伝統の黒い森の鳩時計”とうたいつつ、電池を使った電子音タイプの鳩時計がそれです。訴訟問題にもなりかねないような事態になりましたが、電池の鳩時計は、“伝統の黒い森の鳩時計”ではなく、一般的な総称である“鳩時計”であるという表現に変更することにより、この問題も小さくなっていきましたが、今後多くの中国製品が出回りそうです。ドイツ製とうたいながら、中国や東欧の部品を使う類似の電池品や安さを追及するメーカーが、自分の首を絞めてしまったようで、本場ドイツに中国製のコピー品の販売ルートを築いてしまいました。残念な限りです。

スイスの鳩時計

スイスにも鳩時計をつくるメーカーが1社あり、スイス観光のお土産の一つとして日本人観光客には知られているようです。ある有名な映画の中でも言われているように、鳩時計はスイスのものと誤解されがちです。お土産屋さんで見かける、文字盤に“MADE IN GERMANY”の記載のない本物の鳩時計は、ドイツ製になります。スイスシャレーのかわいいタイプの鳩時計をつくっているメーカーが1社ありますが、時計のムーブメントはドイツ製を使用し、本体はスイス・チューリッヒ近郊でつくられているようです。

日本の鳩時計

日本は昭和40年代の初めまで機械式の鳩時計をつくっていた、鳩時計を愛用する主要国だったのです。高度成長期という時代の流れによる利便性と生産過多により、生産が終わってしまったようですが、2〜3社で鳩時計がつくられていたようで、1社がドイツ製のムーブメントをコピーしたもの、もう1社は試行錯誤してオリジナリティあるムーブメントに仕上げていました。現在も電池式の鳩時計を製造しています。しかしながら、日本の時計メーカーらしい点は、業界を先導して薄利多売を行いながら、また企業の効率を追求しながらも(電池式に特化し)、鳩時計の命である“趣”が必要である点をきちんと考慮しているため、昔ながらのふいご・笛の音による時報を奏で続けているモデルも残しています。私が思うところは、コピー品に終わるのではなく、企業として効率を追求しながらも、心に残る鳩時計を模索している近代の鳩時計をつくっているように思います。

韓国の鳩時計

“掛け時計”といえば“鳩時計”といわれるくらい、鳩時計好きな国民のようです。“鳩時計”という名前のものが好きで、その伝統や趣ではなく、価格面を追求した電子音の鳩時計が一般的のようです。

中国の鳩時計

大国中国でも鳩時計が製造されており、ゼンマイ式の機械式鳩時計や電池式鳩時計がつくられています。中国製=安価というイメージですが、あるメーカーは完全手彫り(但し、コピーのためデザインが乏しく粗悪なつくりらしい)のため、つくりの割りに高額な鳩時計のようです。また現在は粗悪なつくりながら、完全手彫りに徹し、ゼンマイを動力とする機械式に徹し、またコピーするモデルも昔つくられていた手の込んだからくりモデルもつくるなど、昔ながらの鳩時計づくりから始めている点からすると、将来は強いメーカーとなるかもしれません。もちろん、基本は電子音の大量生産品です。しかしながら、いずれドイツメーカーの名前で(もしかしたら中国のメーカーとして)、中国製の鳩時計が世界の安価な価格帯のマーケットを飲み込むかもしれません。そして、デザイン性豊かな伝統的な木彫り鳩時計だけが、本当の意味でのドイツ製として生き残ることと思います。すでにその動きは出始めています。ドイツメーカーがドイツ製として販売している電池の電子音の鳩時計の時計部分は、全て中国製です。